再建築不可物件は本当にリフォーム可能?大規模修繕が可能な根拠

2019年12月24日(火)

新しく建物を建てたり増築したりすることが許されない再建築不可物件。しかし再建築不可物件でも、リフォームやリノベーションならできることはご存知ですか?

建て替えをしなくても、修繕を行うことで再建築不可物件を活用できる可能性も拡がります。ただし、それを実現するためには「どんな物件がリフォームできるのか?」「どの範囲まで許されるのか?」という法律的な知識が必要です。今回は再建築不可物件のリフォームについて、法律的な定義も交えながら解説します。

再建築不可物件のリフォームは「建築確認申請」が不要な範囲であれば可能!

再建築不可物件とは、建築基準法に定められた接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接していなければいけない)を満たしていないがために建築確認申請が下りない物件のことを指します。

つまり、逆に言えば建築確認が不要な範囲の修繕やリフォーム、リノベーションならば可能ということになるのです。

「建築確認」とは

建築確認とは建物の新築や改装などをする前に、建築基準法に則った計画がなされているかどうかを行政や民間の指定確認検査機関に調べてもらうことを指します。
建築基準法は「国民の生命、健康、財産を守るために、最低限この基準はクリアして建物を建ててください」という趣旨で定められた法律。つまり、この建築確認があるからこそ、私たちが安心して家や建物で暮らせるというわけなのです。

「建築確認申請」とは?

建物を建てる前には、建築確認申請を行って建築基準法をクリアしているかどうかをチェックしてもらわなければいけません。これは建築基準法第6条に定められています。

建築基準法第6条

建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。

 

以上が建築確認申請に関する条文です。まずは建築をする前には必ず建築確認申請をしなければならないと法律で定められているということを理解していただければ幸いです。

条文のなかで、「確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない」というものがあります。工事をする前には建築主事と呼ばれる人に確認申請書を提出します。建築計画が問題ないと認められた場合は、確認済証が交付され、晴れて着工できるという流れです。ちなみに建築主事とは建築確認を行える資格を持っている公務員のことで、都道府県庁や市区町村役場に在籍しています。

なお、建築確認申請は民間の指定確認検査機関(建築確認や検査を行う機関として国土交通大臣や都道府県知事から指定された民間の機関)に提出しても良いことになっています。

「増築」「改築」などは建築確認が原則必要

建築基準法第6条の条文を見てみると、建物を建築する際には原則として建築確認が必要であることがわかります。ただし、大規模の修繕や大規模の模様替は建築確認が不要であるケースもあるため、再建築不可物件でもリフォームやリノベーションができる可能性があると解釈できます。

工事の種類と定義

建築基準法第2条13号では「建築行為」について定義されていて、建築行為を行う際に建築確認申請が必要となります。一方、「大規模の修繕」「大規模の模様替」はそれぞれ別の項目に定義されていて、建築確認は不要となる場合があります。

法律上なにが建築にあたり、なにがリフォームや模様替にあたるのか?定義を正しく理解しておくことが重要です。

建築

建築基準法では「建築」という行為について以下のように定めていて、これらの行為を行う際には建築確認申請が必要になります。

建築基準法第2条 13号

建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。

新築

新築とはなにもない更地に建築物を建てることを指します。使う材料の新旧は問いません。すでに使っていた建材を利用して更地に建築物を建てる行為も新築となります。

増築

すでに建っている建築物の床面積を増やすために新しく建築物を建てることを指します。

改築

今まで存在していた建築物を取り壊して、用途や規模、構造が著しく異ならない建築物を建てることを指します。改築はリフォームやリノベーション扱いにならないので注意が必要です。災害などによって建物が損壊したときに、以前と同じ用途、規模、構造の建築物を建てる際にも改築扱いとなります。

ちなみに、住宅目的の建物を取り壊して店舗にする場合、50㎡の建物を解体して100㎡の建物を新たに建てる場合、木造から鉄骨に建て替えるといったケースは新築とみなされます。

移転

同一敷地内で建築物を移動させることを指します。いわゆる曳家は移転にあたります。

大規模の修繕

建築基準法第2条 14号で定義されています。

建築基準法第2条 14号

建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。

 

修繕とは、「同じ材料を用いる」「元の状態に復元する」「建築当初の価値を回復させる」という3つの条件が揃った工事であるという解釈が一般的です。

具体的には傷んだサイディング外壁を、同じサイディング材を使って貼り直し、元と同じ状態にするといった工事が挙げられます。

大規模の模様替

建築基準法第2条 15号で定義されています。

建築基準法第2条 15号

建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。

「建築物の材料や仕様を変える」「建築当初の価値の低下を防ぐ」という条件が揃っている工事が大規模の模様替にあたると解釈されています。

たとえば、板張りの外壁をサイディング張りにしてきれいにする、茅葺屋根をスレート葺にして耐久性をアップさせるというように、物件の資産価値を向上させるような作業が挙げられます。

増築・改築・移転でも建築確認が不要となるケース

建築基準法第6条で建築確認申請について定められていますが、その2項には以下のような但し書きがなされています。

建築基準法第6条2項

前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。

 

つまり、防火地域や準防火地域以外の場所で、かつ床面積が10㎡以下であれば、建築確認申請をしなくても増改築や移転が可能なのです。

ただし、東京都内はほとんどが防火地域あるいは準防火地域に指定されていますので、10㎡以下の増築・改築・移転でもまず建築確認申請が必要になると考えてください。工事をする前に建築確認申請が必要かどうかをその都度チェックすることが重要です。

4号建築物であれば、大規模の修繕・大規模の模様替は建築確認申請が不要!

前章で「大規模の修繕・大規模の模様替では建築確認申請が不要になるケースもある」と説明しましたが、具体的には「4号建築物」の修繕やリフォーム、リノベーションがそれに該当します。

4号建築物とは?

何度も登場している建築基準法第6条。実はこれには続きがあります。1~4号で建物の定義付けがなされていて、4号に該当するものがいわゆる「4号建築物」と呼ばれるのです。もう一度、建築基準法第6条の条文を一部見てみましょう。

建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(略)確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。

つまり、4号建築物に関しては建築確認申請をしなくても大規模の修繕・大規模の模様替が可能なのです。

建築物の種類と定義

それでは、建築基準法における建築物の定義について見ていきましょう。

1号建築物 – 特殊建築物

建築基準法第6条1号

別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が百平方メートルを超えるもの

特殊建築物とはアパート、マンションなどを指します。つまり、床面積100㎡以上の共同住宅が1号建築物に当てはまります。

2号建築物 – 木造建築物

建築基準法第6条2号

木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの

木造一戸建てや長屋、事務所、店舗などを指します。「3階建て以上」「床面積500㎡、高さ13m以上」「軒9m以上」のいずれかの条件を超えているものが2号建築物に該当します。

3号建築物 – 木造建築物以外

建築基準法第6条3号

木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの

鉄骨や鉄筋など、木造以外の一戸建てや長屋、事務所、店舗を指します。「2階建て以上」「床面積200㎡以上」のいずれかを満たしているものが3号建築物に該当します。

4号建築物

建築基準法第6条4号

前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域(都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは準都市計画区域(市町村長が市町村都市計画審議会(当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、当該市町村の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の意見を聴いて指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物

 

少し長くて難しいのですが、要は1~3号に当てはまらない建築物を指します。具体的には以下のような建築物を指します。

  • 特殊建築物:床面積100㎡以下
  • 木造建築物:2階以下、床面積500㎡以下、高さ13m以下、軒9m以下
  • 木造建築物以外:平屋(1階建)、床面積200㎡以下

【まとめ】建築確認申請の対象

建築確認申請が必要なケースを下表にまとめました。

1号、2号、3号建築物 建築(新築・増築・改築・移転)、大規模の修繕、大規模の模様替
4号建築物 建築(新築・増築・改築・移転)

4号建築物で大規模な修繕、模様替をするのであれば建築確認申請は必要ありません。したがって、再建築不可物件となっていてもリフォームやリノベーションは可能となります。

再建築不可物件の売却や活用ならお任せください!

今回は再建築不可物件でもリフォームやリノベーションができる根拠について解説しました。ただし、法律的には可能でも、接道状況によっては工事車両や機材が入れず、工事の依頼を断わられるケースも多いのが実情です。東京都内でも再建築不可物件のリフォームに対応している業者は10社ほどしかありません。

東京土地開発株式会社では再建築不可物件のリフォームを自社で行い、再利用することが可能です。そのため、他社では売却できないような物件でも好条件で買取ることができます。

再建築不可物件の活用でお困りなら、なかなか売れなくて悩まれているなら、ぜひ私たちにご相談ください。

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