底地・借地権とは?底地の売却や買取について解説

2019年11月11日(月)

一般的に底地は売りにくいと言われていますが、必ずしもそうとは言い切れません。確かに一般的な不動産と比較すると評価額が低くて売却が難しいのは事実ですが、適切な方法を選択すれば売却も可能です。今回は底地を売るポイントについて解説。「なかなか売れない」と悩んでいる方必見です。

底地とは?

底地は借地権がついている土地、第三者に貸し出されている状態の土地のことを指します。つまり土地を所有している人と実際に土地を使用している人が違う状態の土地のことです。

底地と借地権の関係

通常、「完全所有権」をもっている地主が土地を自由に使うことができます。その土地に家を建てることもできれば、それこそ他人に貸し出して地代収入を得ることも可能です。

土地を貸し出すときには、完全所有権が消滅して地主が「底地権」、借地人が「借地権」をもつことになります。底地権は底地権者が土地を貸し出す代わりに、借地権者から地代や更新料などの金銭を受け取ることができる権利です。ちなみに、底地権者は人に土地を貸している状態となるわけですから、「自分の土地だから」といって勝手に底地を使うことはできません。借地権とはその逆で、建物の所有などを目的として土地を借りる権利のことを指します。

ちなみに、今回の本題である「底地」という言葉の他に、「借地」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。底地というのは底地権がついた土地のことを指すのに対して、借地は借地権がついた土地のことを指します。いずれも、「地主さんが第三者に貸し出している状態の土地」を指す言葉なのですが、地主さんの立場からは「底地」、借りている人の立場からすると「借地」。同じ土地でも立場によって呼び方が異なるわけです。

先ほど、土地を貸し出す際には所有権がなくなって底地権と借地権に分かれるということを説明しました。わかりやすく計算式で表現すると「底地権+借地権=完全所有権」となります。

借地権者が底地権を地主から買うと、借地権者が新しい土地の所有者となります。逆に底地権者が借地人から借地権を買い取ると、所有者が再び地主となります。

底地とは、もともと持っていた人と実際に使っている人が異なっていて、どちらにも完全に所有権が存在しない、そしてどちらも土地を持っている状態になっているという、非常にややこしい権利関係になっている土地なのです。

底地・借地権がもつメリットとデメリット

底地を所有するメリット・デメリット、借地権がついている土地を所有するメリット・デメリットを考えていきましょう。

底地

まずは底地権がある地主側のメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

地代や更新料などの収入が得られる

前述のとおり、底地権者は借地権者に土地を貸し出す代わりに地代や契約更新料などの金銭を得ることができます。継続的に安定した現金収入を得られるのが一番大きなメリットと言えるでしょう。地代収入だけで生活できるような地主さんもいらっしゃいます。

土地や建物を管理する手間やコストがかからない

土地や建物を維持管理するためには多くの手間やコストが必要です。底地であれば実際に土地を使うのは借地人ということになります。管理も借地人が行うことになるので、底地権者は土地や建物を維持するための手間やコストをかける必要がありません。

デメリット

必ずしも収入が安定しているとは限らない

底地権によって地代や更新料などの収入が得られるのがメリットですが、それが安定しているとは限りません。底地の場合は底地権者が土地の固定資産税を負担しなければいけないため、地代よりも固定資産税のほうが高い状態だと利益はありません。特に土地を長期間貸していて、その間に評価額が上がった場合、固定資産税が地代を上回ってしまうケースが往々にしてあります。

返還や更新拒絶が難しい

法律では借地権者の権利が手厚く保護されています。特に旧借地権や普通借地権では底地権者側からの賃貸更新拒絶、建物の明け渡し、返還は正当な事由がない限り認められていません。「土地を売りたいから返してほしい」というのは通らないわけです。実際に更新拒絶や明け渡しが認められたケースはほとんどありません。

地代の値上げ交渉が難しい

土地の貸借期間は20~30年と長く、しかも契約の自動更新も認められているため、土地の価値が上がったとしても地代の値上げは難しいのが現状です。こうした事情もあって、前述のとおり地代よりも固定資産税のほうが上回ってしまうという現象が起きてしまうケースも十分に考えられます。

借地権

借地権によって土地を使っている借地人側のメリット・デメリットを考えてみましょう。

メリット

安価で土地と建物を使用できる

借地権つきの土地や建物は通常の物件に比べて安価に購入することができます。特に地価が高い場所であればあるほど、そのメリットは大きくなるでしょう。継続的に底地権者へ支払う地代を考えても、支出を抑えられる可能性があります。

固定資産税を納める必要がない

先ほどもご説明したとおり、固定資産税を納めるのは借地権者ではなく底地権者となります。しかし、実質的に土地は自分のものとして使うことができます。

デメリット

地代を底地権者に支払う必要がある

一番大きなデメリットと言えます。底地権つきの土地を購入した場合、借地権がある限りは地主に地代を支払い続けなければいけません。安く土地や建物を購入できたとしても、地代を支払い続けることによって、トータルでは支出が多くなってしまうことも考えられます。

銀行の融資が受けにくくなる可能性がある

借地権は住宅の賃借権と同じようなイメージであり、土地を所有する権利ではありません。どうしても完全所有権と比べると担保価値が低くなり、銀行の融資に通りにくくなる傾向があります。

自由に土地を使えない

借地権者はあくまで土地を借りているだけであって、所有しているわけではありませんので、自分勝手に使うことはできないのです。建物のリフォームや増改築あるいは土地の売却や名義変更を行う場合は、底地権者からの承諾を得なければいけません。増改築や名義変更をすると手数料が発生するケースもあります。

底地の売却・買取について

これまでご説明した底地の特徴や底地権者、借地権者それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、いよいよ底地の売却や買取について考えてみましょう。

底地の買い手は少ない?

結論から言いますと、底地は売りにくいです。確かに価格が低くて固定資産税が課税されないのは大きなメリットですが、地代を支払い続けなければいけないことと、土地の使用に制限が出るということもあって、どうしても所有権つきの物件と比べると敬遠される傾向があります。不動産会社によっては査定すら断られるケースもあるくらいです。

投資用物件として見ても、地代の上昇が見込めないにも関わらず、固定資産税だけが高くなり、収益率が悪化するリスクが高いと言わざるを得ません。

底地を売却する4つの方法

底地を売却するには主に以下の4つの方法が挙げられます。

借地権者に底地を売却

今土地を貸している借地権者に底地権を売却してしまう方法です。借地権者は完全所有権を得ることで、土地を自分のものにできます。地代を支払い続ける必要がなく、土地を自由に活用できるようになるので、借地人にとってもメリットが数多くあります。まずは借地権者に土地を所有することで得られるメリットを説明して、底地権の売却を提案すると良いかと思います。

第三者へ底地を売却

借地権がついているまま第三者に売却する方法です。すでに借地人がその土地を使っているため、投資物件として売り出すこととなります。底地は管理維持費がかからないのがメリットですが、一方で収益率が低い、あるいは赤字になってしまうリスクが伴うのがデメリットです。十分な収益があげられる物件であればまだ買い手は見つかるかもしれませんが、収益性が低いと全く買い手が見つからないということもあり得ます。

底地と借地権を同時売却

先ほどご紹介した計算式「底地権+借地権=完全所有権」を思い出してください。底地権と借地権を同時に売却することで、買い手はその土地の所有権を得られることになり、底地権だけを売るよりも買い手が見つかり高く売れる可能性が出てきます。ただし、借地人が借地権の売却に同意するのが前提となります。

買取業者へ底地を売却

底地をなるべく早く手放したいという方におすすめの方法です。不動産仲介業者を通じて買い手を募って売るのではなく、不動産買取業者に売却します。買い手は業者なので、スムーズにかつ確実に底地を売却することが可能です。

底地・借地権の問題解決なら、ご相談ください

底地のまま第三者に売却するのは非常に困難なのが実情です。底地を売却するには、底地権と借地権を所有権に一本化するのが一番の近道。まずは借地人と話し合って、借地権を買い取って売却するか、逆に底地権を借地権者に買い取ってもらうよう説得してみましょう。

しかし、一筆の土地に複数の地権者がいる場合や、借地人が借地権を明け渡さない意思が固い場合は売却も困難を極めます。不動産買取の専門業者である東京土地開発株式会社では、そのような土地も買取しています。

底地の売却でお悩みの方、相続した土地の処分にお困りの方、すぐにでも底地を手放したい方は、まずは私たちにご相談ください。

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